我が家では、2歳の息子(2018年5月生まれ)に日本語と英語で話しかけています。
と、よく聞かれるので、我が家のバイリンガル育児について書こうと思います。
- バイリンガル育児を始めたきっかけ
- 毎日の取り組み
- バイリンガル育児をする理由
などをご紹介します。
この記事の音声版は以下の再生ボタン▶︎からどうぞ
夫婦の英語バックグラウンド
最初に我々夫婦の英語に関するバックグラウンドを少々お話します。
私、母親です。生まれは東京。両親共に日本人です。
・2歳の時にオーストラリア人の留学生が家にホームステイしていた
・12歳でイタリアへ引っ越し、インターナショナルスクールの中高に通う
・都立国際高校に編入・卒業後、カナダへ進学するが日本の大学を希望し帰国
・東京外国語大学在学中にマンツーマン英語講師として、キャリアをスタート
以後、16年に渡り、キッズからビジネスマン、シニアまで幅広く500人以上の生徒たちを指導している。英語講師の傍、バイリンガル・ナレーターとして日本語と英語で日々ナレーションの仕事もしている。
英検1級 / TOEIC990点 / EPT® 英語発音テスト満点
詳しくはプロフィールもご覧ください
次は夫です。
神奈川県出身。両親共に日本人です。
・高校時代、アメリカ人講師に聞かれたHow are you?が聞き取れなかった
・オーストラリアへ留学。学校、アルバイト、友人との交流で英語力を伸ばす
・2年半後に帰国。箱根の老舗ホテルにて英語を使って接客業務
・現在は外資系企業に勤務。日本語:英語を6:4ほどの割合で使用
育休を2年取得し、その間息子と英語の歌や絵本に親しむ。2年間のバイリンガル育児で自分の英語力が上がっていることに気付く。とくに語りかけを頑張ったおかげでスピーキング力がついたことに自分でも驚いている。
TOEIC750点
と、こんな感じのバックグラウンドです。
昔、夫に「英語を教えてほしい」と言われ何度かチャレンジしましたが、なかなか続かず、子どもが生まれる前は二人で英語を話すのは旅行のときくらいでした。
息子が生まれてからは、家族間の言語が日本語➕英語になりましたが、それでも日本語の方が若干多かった気がします。
2020年夏 現在の息子は、英語が優位(聞く、話すともに)ですが、日本語の保育園に行き始めたので、英語のインプット量を確保するために夫婦の間でも英語で話す割合が増えています。
バイリンガル育児を始めたきっかけ
バイリンガル育児を始めた最初のきっかけは・・・忘れてしまいました!笑
子どもが生まれたら英語も覚えさせたいね、ということは二人で話していましたが具体的に考え始めたのは、妊娠してからでした。
妊娠中期に入り、赤ちゃんが生まれた後の生活も少し考えられるようになってきた頃、そういえば自分が育児に関する英語をまったく知らないということに気付きます。
YouTube「バイリンガルベイビー」に出合う
赤ちゃんと・・・どうやって会話すればいいの?しかも英語で・・・?
と思い、YouTubeで色々と検索し、たどり着いたバイリンガルベイビーというチャンネルでアメリカ人のママと日本人のパパがバイリンガル育児をしているのを見て、いいなあと思い、バイリンガル育児について本格的に調べ始めます。
日本人両親によるバイリンガル育児は危険!?
しかし、バイリンガル育児について勉強していくと、
・母語(日本語)の土台ができる前に英語を教えるのは危険
・英語が母語ではない親(日本人)が英語で語りかけをするのは御法度
などなど、家でバイリンガル育児をするのに尻込みするような情報にたくさん行き当たりました。
英語が堪能な友人からも、自分の子どもが小さいうちは一切英語はやらせないと言っているのを聞いたりもして、どうしていったらいいのか、落ち込んだり悩んだりしました。
外国人ママ友のおかげでバイリンガル育児に前向きに
そんな中、外国人の妊婦友達がたくさんできて、彼女たちと話しているうちに、バイリンガル育児に対しても考え方が変わっていきました。
「生まれてくる子どもたちに何語で話す?」というトピックはよく話題になっていて、色んな国籍、色んな環境のママたちと意見交換をしていくうちに、自分の感じている不安がすこしずつ消えていきました。
自分が子どもと英語で話している未来がイメージできたからかもしれません。
実際にバイリンガルに育てている先輩ママと会って、取り組みを聞いたのも大きいかも。こうすればいいんだ、という一例を知れたのは、情報に踊らされていた自分には大きな出来事でした。
それからは、ネットや書籍などでもなるべく理論ベースで語られているものや、実際にバイリンガル育児に成功している方の意見を見ていくようにしました。
ここでは長くなるのでまた改めて書こうと思いますが、日本人の両親がバイリンガル育児をすることを、そこまで考え過ぎなくていいんだ、と肩の力が抜けたのを覚えています。
バイリンガル育児毎日の取り組み
我が家での毎日の取り組み(というと大げさですが・・・)を紹介します。
- 語りかけ
- 英語の絵本や歌、動画など
- 英語を話す友人と遊ぶ
息子が生まれてから2年間、主にこの3本柱でやってきました。
なかでも、一番大切にしているのが英語での語りかけです。妊娠中に一番悩んだ部分ですが、今では欠かせない取り組みになりました。
①語りかけ
語りかけをする理由は、息子にとって英語が自然にある環境を作りたかったからです。
そのため、0歳のまだ反応がないときから語りかけに英語も使っていました。
英語は「教育」ではなく「環境」にしたい
私たちは日本人だけど、英語も話すのが普通、特に特別な「教育」ではないということが息子に自然に伝わったらいいなと思っています。
「英語」や「日本語」という言葉自体使わず、どちらも家庭内に自然に存在する言語というイメージで育児をしてきました。
親(一番身近な人間)とのコミュニケーションに使う言語は、生活に必須スキルであるというインプットになるので、息子が自然に英語と日本語を吸収できているのは0歳からの語りかけの効果が大きいのではと思っています。
ベビーサイン(ASL)がその架け橋になってくれました。
②絵本・歌・動画
毎日の取り組みとして、特に教材などは使いませんでした。
英語で書かれた絵本や、YouTubeの歌や動画などを見せていました。
一つ一つご紹介します。
絵本|Picture Books & Story Time
絵本は0歳の頃からたくさん読みました。
生まれてすぐはあまり興味を示しませんでしたが、それでも絵本を見せながら語りかけたりしていました。
単語やストーリーを読み上げるだけでなく、語りかけの道具としても絵本はとても良いと思います。同じ絵本でも成長に合わせて色々な語りかけができるので、工夫のしがいがありますよね。
おすすめの絵本を知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてください。
図書館はバイリンガル育児の強い味方です!
日本語の本に比べて英語絵本は高かったり、手に入れるのが大変ですよね。
図書館の外国語絵本の品揃えは地域差がありますが、リクエストもできるので、ぜひお近くの図書館をチェックしてみることをおすすめします!
歌|Songs & Nursery Rhymes
英語の歌は生まれてからすぐ、ほぼ毎日聞かせていました。
気に入っていたYouTubeのチャンネルをご紹介します。
息子が特に好きだった”Down By the Bay”が入ったメドレーを貼っておきます。
英語講師をしていて、キッズソングはかじっていたつもりでしたがSuper Simple Songsで初めて聞く曲も多く、勉強になりました。
そんな曲も、ネイティブスピーカーの友人に、「この歌知ってる?」と聞くと、みんな「わー!懐かしい!」と言って、大体歌えたので、定番の曲なんだなあと思いました。息子に早いうちから英語の定番曲を紹介できてよかったです。
Super Simple Songsに長くお世話になっていましたが、少し飽きてきた時に見せたら息子が気に入ったシリーズ。
動きが独特なので好みが分かれるかもしれませんが・・・
生活のシーンで使える歌が多いので、助かります。上に貼ったものも、眠る前にすることを歌にしているので、歯を磨きながら歌ったりしていました。
ASL(アメリカ手話)が自然に出てきたりするのもありがたかったです◎
キリスト教系のチャンネルですが、通常のキッズソングもたくさんあるのでおすすめです。
アニメだけでなく、英語を話す本物の人間が出てくるものも見せたいなと思って。
動画|Videos
息子が8ヶ月の頃からASL(アメリカ手話)のベビーサイン教室に通っていたので、見せる動画はサインのDVDが主でした。
Signing Time
↓サインを習い始めた頃にみていたBaby Signing Timeの動画
↓は少し大きくなってから見始めた別シリーズ”Rachel and the Treeschoolers”の動画。
動画や歌で楽しくASLを覚えられたので、親の私たちにとっても良かったです。
車にハマりだしたときに見せたらブーム到来したチャンネル。
洗車ビジネスをしているCarlが色んな車を綺麗にしてあげる動画です。
見せながら隣で、”Do you want to help your friend, too?”など語りかけていました。
ぶたの女の子Peppaが主人公の超有名アニメです。
登場人物がほぼPeppaとその家族、幼稚園のお友達なので
幼児への語りかけに使えるフレーズがたくさん出てきて、パパママにもオススメです!
https://youtu.be/zgLm2KkpITs
③英語を話す友人と遊ぶ
妊婦時代に同じ週数の外国人ママ友がたくさんできました。生まれてからも月齢がみんな近いので、会っていてとても楽しいです。
子ども達が5ヶ月くらいになるまでは、毎週会って、寝返りした?とかミルクの飲みはどう?離乳食はいつ始める?など、いろんな話題で盛り上がっていました。子ども達はベビーカーやエルゴでねんねしてました笑
ハイハイが始まってからは、児童館や支援センターなどで集まって子ども達を遊ばせながらおしゃべりしていました。
その後、みんなが歩くようになって目が離せなくなってからはお互いの家や、児童館、公園などで子ども達同士が一緒に遊べるようになりました。
英語が自然にある環境を作れる、という意味でも友達の存在はとてもありがたいですし、色んなバックグラウンドの家族と遊べるのは、何より自分たちが楽しいです。
外国人のお友達を作るのとてもおすすめです!離乳食のやり方一つとっても、日本のやり方がすべてじゃないと思えて楽になることも多かったですし、スーパーでたくさん並んでる醤油はどうやって選んだらいいの?など思いがけないところでヘルプできたり…笑 自分の英語の勉強にもなっています。
外国人ママ友の作り方は別記事で書こうと思っています!
バイリンガル育児をする理由
私たちがバイリンガル育児をする理由はたくさんあります。
上にも書いたように、外国人の友達親子と遊ぶことが多いのが一つ。息子は英語を話すお友達の方がもしかしたら多いかもしれません。新生児の頃から会っているその子たちと遊ぶときは英語なので、自然とコミュニケーションに使う言葉だ、と思っていると思います。
また、今後海外移住をするかもしれないという点。場所や時期は決まっていませんが、息子には英語圏でモンテッソーリ教育を受けさせてみたいなとふんわり思っています。
以上は主に環境的な理由ですが、その他に夫婦それぞれ思いがあります。
夫は、息子の将来の選択肢を増やして可能性を広げたい。
日本だけにとどまらず、自分がやりたいことがあった時に英語を使うことや、海外に出ることを自然に選択することが可能なように。それから、言語にとらわれず自分のとりたい情報にアクセスできるように。
私は、多言語・多様な価値観に早くから触れてほしいというのが大きな理由です。日本語や日本というモノカルチュラルな物差しではなく、世界には色々なもの、人種、考え方があるのだということを小さいときから伝えられたら。
COVID-19にまつわる差別があったり、”Black Lives Matter”が叫ばれたり、テレビ番組が元で一つの命が失われてしまったり・・・悲しいことの続く日々ですが、息子には“It’s okay to be different.”ということを小さいうちから感じて、自分と異質なものを排除するのではなく、想像力をもって尊べる人になってほしいです。
バイリンガル育児を通じて何を目指すのか
息子には、自分が本当に好きなことをやれる人生を送ってほしいです。
小さい頃からの体験をもとにやりたいことって広がっていくと思うので、なるべくたくさんの体験ができるように。そして、大きくなったら「日本語」や「英語」などの言葉の垣根なく、好きなことを自由に選択できたらいいな。
そのために英語の勉強の先取りとしてのバイリンガル育児ではなく、多言語多文化の環境づくりという目線で育児をしていけたらなと考えています。
息子が成長するにつれて私たちの取り組みも変わっていくのだと思いますが、息子が自分らしく生きられるような種まきと環境づくりを今は頑張りたい。
「オリジナルで豊かな人生を送れるように」
というのが、私たちがバイリンガル育児を通じて目指すところです。
最後に絵本を一冊紹介させてください。
偉そうなことを語って、自分のやっているバイリンガル育児に誇りを持っているようですが、街中で息子と英語で話しているときに感じるふとした視線や、何気ない一言に、つい落ち込んだり、気が小さくなってしまったりしていました。というか、今もたまにします。。。
そんなときに思い出すのがこの本なんです。
息子には、「違うことはいいことだよ」と言っておきながら、自分自身がそれに胸を張れないようでは、まったく伝わらない!落ち込んだ自分を奮い立たせてくれる本です。
Todd Parr “It’s Okay to Be Different”
素晴らしい絵本なので、是非著者の読み聞かせ動画も見てください。
Happy Bilingual Parenting!!